Notionが「カスタムエージェント」を発表 ― AIが繰り返し作業を自律的に自動化する新機能

Notion Labsは2025年2月24日(米国時間)、コラボレーションツール「Notion」に自律型AI機能「カスタムエージェント」を追加し、ビジネスおよびエンタープライズプラン向けにパブリックベータ版として提供を開始した。スケジュールやトリガーをベースに、ユーザーが操作していない時間帯でもタスクを自動処理できる画期的な機能だ。Claude Codeユーザーにとっても、AIエージェントの活用トレンドを知る上で注目すべきリリースである。

この記事のポイント

  • Notionに自律型AI「カスタムエージェント」が追加され、スケジュール・トリガーベースで繰り返し作業を自動化
  • Slack・メール・カレンダーなど外部ツールを横断して動作し、チーム内共有にも対応
  • パブリックベータ期間中(約2ヶ月)は無料で利用可能。その後は従量課金制「Notionクレジット」に移行

カスタムエージェントとは何か

Notionの「カスタムエージェント」は、ユーザーが定義したスケジュールやトリガー条件に基づいて自律的にタスクを実行するAI機能だ。従来のNotion AIがユーザーの能動的な指示を必要としていたのに対し、カスタムエージェントはユーザーが操作していない時間帯でも処理を進められる点が大きな違いとなる。

たとえば、毎朝チームのタスクボードをスキャンして進捗レポートを自動生成したり、新しいタスクが追加されたタイミングで自動的に優先順位を付けたりといった処理が、人手を介さずに実行される。これはまさに「AIエージェント」のコンセプトそのものであり、Claude Codeをはじめとする各社のAIエージェント競争がプロダクティビティツールにまで波及していることを示している。

具体的な活用シーン

Notionが公開している活用例は多岐にわたる。まず繰り返し寄せられる質問への即時回答が挙げられる。社内FAQやドキュメントをベースに、チームメンバーからの定型的な問い合わせにエージェントが自動で回答する仕組みだ。

次に新規タスクの自動取り込みと優先順位づけがある。Slackやメールなど外部ツールから流入するリクエストを自動的にNotionのデータベースに取り込み、内容に応じた優先度を割り振る。これにより、プロジェクトマネージャーの手動トリアージ作業が大幅に削減される。

さらに進捗情報の収集・要約と定期報告書作成も対応する。複数のプロジェクトやタスクの状況を定期的にスキャンし、要約レポートとしてまとめる。週次・月次の進捗報告書を自動生成できるため、報告業務に費やしていた時間を本来のクリエイティブな作業に充てられるようになる。

これらの機能はチーム内での共有にも対応しており、作成したエージェントをワークスペース内の他のメンバーと共有して利用できる。

料金体系とベータ期間

カスタムエージェントは、パブリックベータ期間中(今後約2ヶ月間)は無料で利用できる。これは対象プラン(ビジネスおよびエンタープライズ)の全利用者が対象となる。

ベータ期間終了後は、従量課金制の「Notionクレジット」方式に移行する。2025年5月4日よりクレジットの購入が可能となり、エージェントの実行に応じてクレジットが消費される仕組みだ。管理者はクレジット残量の通知を受け取ることができ、上限に到達した場合はエージェント機能が自動的に停止するため、予期せぬコスト超過を防げる設計となっている。

個人利用やフリープランのユーザーにとっては直接的な恩恵はないが、AIエージェントがSaaS製品の標準機能として組み込まれていく流れを象徴するリリースと言える。

セキュリティとプライバシー

エンタープライズ用途を意識し、セキュリティ面にも配慮がなされている。Notion AIはユーザーデータを学習に使用せず、エンタープライズプランではデータ保持も行わないと明言されている。さらに、エンタープライズ向けにはエージェントの実行ログ記録機能が提供されており、いつ・どのエージェントが・どのような処理を行ったかを監査できる。

これは、企業がAIエージェントを導入する際に最も懸念するデータガバナンスの問題に正面から対応した形であり、他のAIツール開発者にとっても参考になるアプローチだ。

知っておくと便利なTips

  • カスタムエージェントはビジネスプラン以上が対象。まずは自分のプランを確認し、ベータ期間中に無料で試してみるのが得策
  • Slack・メール・カレンダーとの連携が可能なため、既存のワークフローに組み込みやすい。まずは「週次レポートの自動生成」など小さなタスクから始めるとよい
  • 従量課金に移行後のコスト管理が重要。管理者はクレジット上限の通知設定を事前に確認しておくべき

まとめ

Notionの「カスタムエージェント」は、AIエージェントがプロダクティビティツールの標準機能として定着しつつある潮流を明確に示すリリースだ。スケジュール・トリガーベースの自律実行、外部ツールとの横断的な連携、チーム共有機能と、エージェントに求められる要素を網羅的に備えている。ベータ期間中は無料で利用できるため、ビジネスプラン以上のユーザーは今のうちに試してみる価値がある。Claude Codeのようなコーディングエージェントとは異なるアプローチだが、「人間の代わりにAIが自律的に作業する」という大きなトレンドの中で、各社がどのような差別化を図っているかを観察する好例となるだろう。


📎 元記事: https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/2088496.html

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