インドAIサミット開幕:Anthropicがベンガルール拠点開設、米テック大手が総額680億ドル投資を表明

インド政府が主催する大規模AI国際会議「India AI Impact Summit 2026」が2月16日にニューデリーで開幕しました。モディ首相が開会を宣言し、OpenAI CEOサム・アルトマン、Google CEOスンダー・ピチャイ、Anthropic CEOダリオ・アモデイなど世界的なテック企業トップが集結。25万人の来場者と20カ国の首脳が参加する、AI分野では過去最大級の国際サミットとなっています。特にAnthropicのインド初拠点開設やGoogle・Microsoft・Amazonの巨額インフラ投資など、具体的な発表が相次いでいます。

この記事のポイント

  • Anthropicがベンガルール(バンガロール)に初のインドオフィスを開設。インドはClaude AIの世界第2位の市場に成長
  • Google、Microsoft、Amazonの3社がインドのAI・クラウドインフラに合計680億ドル(約10兆円)の投資をコミット
  • NvidiaのCEOジェンセン・ファンが「予期せぬ事情」で直前にキャンセルし注目を集める
  • インド初の商用半導体生産がMicronの施設で今月中に開始予定

Anthropicのインド進出が本格化

Anthropicはサミットに合わせて、東京に続くアジア2番目の拠点をベンガルールに開設しました。マネージングディレクターにはイリーナ・ゴース氏が就任し、エンジニアリング、リサーチ、セールス、オペレーション部門での採用を開始します。

インドはClaude AIにとって世界第2位の市場となっており、2025年10月の拡大計画発表以降、インドでの収益は倍増しています。主にコーディングや数学的用途での開発者利用が牽引しています。パートナーシップも活発で、Air IndiaはClaude Codeでソフトウェア開発を加速、CREDはClaude活用で機能リリースを迅速化、Cognizantは全世界35万人の従業員にClaudeアクセスを提供する計画を発表。さらにスタートアップのEmergentはClaudeをベースにプラットフォームを構築し、わずか5ヶ月で年間収益2,500万ドルを達成しています。

インド言語対応も強化され、ヒンディー語、ベンガル語、マラーティー語、タミル語、テルグ語を含む10のインド言語でモデル性能が改善されています。教育分野ではPrathamと提携し、Claude搭載のAI評価プラットフォームを20校・1,500人の生徒でテスト中です。

巨額投資が相次ぐAIインフラ整備

サミットでは、米テック大手によるインドへの大規模投資コミットメントが相次ぎました。MicrosoftはデータセンターとAIトレーニングに1.5ラーク・クローレ(約2.7兆円)、Amazonはクラウドインフラとデジタル化に2.9ラーク・クローレ(約5.2兆円、2030年まで)、Googleはヴィジャヤワーダに1GWのAIハブを1.25ラーク・クローレ(約2.2兆円)で建設する計画を発表。3社合計で680億ドル(約10兆円)の投資規模となっています。

インド政府側も11億ドルの国営ベンチャーキャピタルファンドを設立し、AIと先端製造業のスタートアップに投資する方針を表明。OpenAIのアルトマンCEOは「インドのChatGPT週間アクティブユーザーは1億人を超え、米国に次ぐ第2位」と明かしました。

Nvidiaファン氏の直前キャンセルと半導体の新展開

サミット開催直前に、NvidiaのCEOジェンセン・ファン氏が「予期せぬ事情」を理由に参加をキャンセルしたことが大きな話題となりました。基調講演を予定していたファン氏の代わりに、エグゼクティブ・バイスプレジデントのジェイ・プーリ氏率いるNvidia上級代表団が出席しています。

一方、半導体分野では大きな進展がありました。米Micron Technologyがグジャラート州の施設で今月中に操業を開始する見通しが発表され、これがインド初の商用規模半導体生産となります。MeitY(電子情報技術省)は、MicronがいずれAIに不可欠なHBM(高帯域メモリ)の製造にも取り組む見込みだと明らかにしました。

サミットの全体像と課題

「人(People)・進歩(Progress)・地球(Planet)」の3つのスートラをテーマに掲げるこのサミットは、2月20日まで5日間にわたって開催されます。フランスのマクロン大統領やブラジルのルラ大統領も参加し、グローバルAIガバナンスの共有ロードマップの策定を目指しています。

ただし初日には、長い行列や過密状態、案内表示の不備、講演者のスケジュール未確認などの運営面での問題も報告されました。過去の同様のサミットと同じく、拘束力のある政治合意には至らず、AI開発目標に関する非拘束的な宣言に留まる可能性が高いとの見方もあります。

知っておくと便利なTips

  • Anthropicのインド展開は、Claude Codeを含むコーディング支援が特に強い需要を持っていることを示しており、日本のユーザーにとっても今後のローカライズ強化の参考になる
  • インドがAI市場として急成長している背景には、デジタルID(Aadhaar)やデジタル決済(UPI)などの大規模デジタルインフラの経験があり、AIの低コスト大規模展開のモデルケースとして注目されている
  • テック大手のインドへの投資集中は、今後のAIインフラのグローバル配置やサービス展開に影響を与える可能性がある

まとめ

India AI Impact Summit 2026は、インドがAI分野でグローバルな存在感を急速に高めていることを象徴するイベントとなっています。Anthropicの初のインドオフィス開設とClaudeの急成長、Google・Microsoft・Amazonによる合計680億ドルの投資コミットメント、インド初の商用半導体生産の開始見通しなど、具体的な成果が次々と発表されています。Nvidiaファン氏の直前キャンセルという想定外のハプニングもありましたが、20カ国の首脳と世界最大級のテック企業トップが一堂に会するこのサミットは、AIのグローバルガバナンスの行方を左右する重要な場となっています。残りの会期中にも追加の発表が予想されており、引き続き注目が集まります。


📎 元記事: https://techcrunch.com/2026/02/16/all-the-important-news-from-the-ongoing-india-ai-summit/

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