ブラウザでAIエージェントを動かすという発想は、これまでにもいくつかのサービスで試みられてきました。しかし、多くはクラウドベースで動作し、プライバシーの懸念や制限がありました。そんな中、「BrowserOS」というオープンソースプロジェクトがHacker Newsで紹介され、注目を集めています。このプロジェクトは、AIエージェントをブラウザ内でネイティブに動作させることを可能にし、さらにClaude CodeからMCPサーバー経由でブラウザを制御できるという画期的な機能を持っています。
この記事のポイント
- BrowserOSはChromiumベースのオープンソースブラウザで、AIエージェントをローカルで実行可能
- MCPサーバーとして機能し、Claude Codeやgemini-cliから直接ブラウザを操作できる
- プライバシー重視設計で、APIキーを自前で用意するかローカルLLMを使用可能
BrowserOSとは何か
BrowserOSは、Chromiumをフォークして開発されたオープンソースのブラウザです。「ungoogled-chromium」の成果を取り入れ、Googleのトラッキングコードを除去したプライバシー重視の設計となっています。最大の特徴は、AIエージェントがブラウザ内でネイティブに動作する点です。
このプロジェクトは自らを「ChatGPT Atlas、Perplexity Comet、Diaのオープンソース・プライバシーファースト代替」と位置づけています。つまり、大手AI企業が提供する「AIブラウザ」の機能を、オープンソースかつローカル実行で実現しようという野心的な取り組みです。
GitHubでは既に8,800以上のスターを獲得し、848のフォークが存在するなど、コミュニティからの注目度の高さがうかがえます。41のリリースを重ね、1,251のコミットがあることから、活発に開発が進んでいることがわかります。
Claude Codeとの連携:MCPサーバーとしての機能
BrowserOSの最も興味深い機能の一つが、MCP(Model Context Protocol)サーバーとして動作する点です。これにより、Claude Codeやgemini-cliなどの外部ツールからプログラマティックにブラウザを制御することが可能になります。
「Claude Cowork」という表現は、まさにこの連携を指しています。Claude Codeで作業をしながら、必要に応じてブラウザ操作をAIに任せることができるのです。例えば、Webページからのデータ抽出、フォームの自動入力、定型的なブラウジングタスクの自動化などが考えられます。
この連携により、Claude Codeでのコーディング作業と、実際のWebブラウザでの検証・操作がシームレスに行えるようになります。開発者にとっては、作業効率を大幅に向上させる可能性を秘めています。
プライバシーと柔軟性を両立する設計
BrowserOSが強調するのは「プライバシーファースト」という設計思想です。具体的には以下のような特徴があります。
ローカル処理: データはすべてユーザーのコンピュータ上で処理されます。ブラウジング履歴も外部サーバーに送信されることはありません。
BYOK(Bring Your Own Key): OpenAIやAnthropicのAPIキーを自分で用意して使用できます。これにより、どのAIサービスを使うかを完全にユーザーがコントロールできます。
ローカルLLM対応: OllamaやLMStudioを使用してローカルで動作するLLMを利用することも可能です。インターネット接続なしでもAI機能を利用できる点は、セキュリティを重視するユーザーにとって魅力的でしょう。
他のAIブラウザとの違い
BrowserOSは、競合となる製品との差別化ポイントを明確にしています。
vs Arc Browser: Arcがクローズドソースとなったのに対し、BrowserOSはオープンソースの透明性を維持しています。ユーザーはコードを確認し、必要に応じて貢献することができます。
vs Perplexity: 検索企業が提供するAIブラウザとは異なり、BrowserOSはプライバシーを最優先に設計されています。
vs Brave: Braveが広告ブロックや暗号通貨など多角的な機能を持つのに対し、BrowserOSはAIブラウジングに特化しています。
インストールと始め方
BrowserOSは主要なプラットフォームに対応しています。
- macOS: DMG形式でダウンロード
- Windows: EXEインストーラーを提供
- Linux: AppImageおよびDebianパッケージが利用可能
セットアップは3ステップで完了します。まずChromeのデータをインポート(オプション)、次にAIプロバイダーを設定、そして自動化タスクを開始できます。既存のChrome拡張機能もそのまま使用できるため、移行の障壁は低いと言えます。
知っておくと便利なTips
- MCPサーバーとして設定することで、Claude Codeから直接ブラウザ操作のコマンドを送信できます
- AI搭載の広告ブロッカーが内蔵されており、通常のブロッカーでは対応しにくいシナリオもカバーします
- Chromeライクなインターフェースなので、新しい操作を覚える必要がほとんどありません
まとめ
BrowserOSは、AIエージェントとブラウザの融合という新しいパラダイムを、オープンソースかつプライバシー重視で実現しようとする意欲的なプロジェクトです。特にClaude CodeユーザーにとってはMCPサーバー連携により、コーディングとブラウザ操作をシームレスに行える可能性があり、ワークフローの効率化が期待できます。
8,800以上のスターを獲得していることからもわかるように、コミュニティからの関心は高く、今後の発展が楽しみなプロジェクトです。プライバシーを重視しながらもAIの恩恵を受けたいユーザー、そしてClaude Codeでの作業をさらに拡張したい開発者にとって、チェックしておく価値のあるツールと言えるでしょう。


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