Microsoft Xbox CEOフィル・スペンサー氏が退任、後任はAI部門のアシャ・シャルマ氏(36歳)に

Microsoftは2026年2月、Xbox部門のCEOを長年務めてきたフィル・スペンサー氏(58歳)の退任を正式に発表した。後任には、同社CoreAI部門のプレジデントを務めるアシャ・シャルマ氏(36歳)が就任する。ゲーム業界の巨人であるXboxのトップ交代は、Microsoftの今後の戦略方針に大きな影響を与えるものとして注目されている。

この記事のポイント

  • フィル・スペンサー氏がXbox CEO を退任、約20年にわたるXbox部門でのキャリアに区切り
  • 後任はCoreAI部門プレジデントのアシャ・シャルマ氏(36歳)で、AI分野からゲーム部門への異例の抜擢
  • シャルマ氏は「Xboxの原点回帰」を掲げ、ゲーム体験の本質に立ち返る方針を示している

フィル・スペンサー氏の功績と退任の背景

フィル・スペンサー氏は、Xbox部門の責任者として長年にわたりMicrosoftのゲーム事業を牽引してきた人物だ。特に注目すべきは、Mojang(Minecraftの開発元)の買収やActivision Blizzardの大型買収を主導したことである。Activision Blizzardの買収は約690億ドル(約10兆円)規模という、ゲーム業界史上最大の買収案件であり、各国の規制当局の審査を経て実現にこぎつけた。これらの買収により、MicrosoftはCall of Duty、Diablo、Overwatch、World of Warcraftなどの人気フランチャイズを傘下に収め、ゲーム業界における存在感を大幅に拡大した。

スペンサー氏の在任中には、Xbox Game Passというサブスクリプションサービスの立ち上げも行われ、ゲームの遊び方そのものを変革するビジネスモデルを確立した。58歳での退任は、一つの時代の終わりを象徴するものと言えるだろう。

新CEO アシャ・シャルマ氏とは

アシャ・シャルマ氏は36歳という若さでXbox部門のトップに就任することになる。これまでMicrosoftのCoreAI部門でプレジデントを務めており、AI技術に深い知見を持つ人物だ。AI部門からゲーム部門への異動という異例の人事は、MicrosoftがゲームとAIの融合を今後の重要戦略と位置づけていることを示唆している。

シャルマ氏は就任にあたり「Xboxの原点回帰」を目指す方針を掲げている。近年のXboxは、サブスクリプションやクラウドゲーミングといったサービス面の拡充に注力してきたが、一方でハードウェアの販売台数やファーストパーティタイトルの独占性という面ではPlayStationに後れを取る場面もあった。「原点回帰」という言葉には、ゲーマーが求める本質的な体験――魅力的な独占タイトル、ハードウェアの性能、コミュニティの活性化――に改めて焦点を当てるという意思が込められていると考えられる。

ゲーム業界への影響と今後の展望

今回のトップ交代は、ゲーム業界全体にとっても重要な意味を持つ。AI技術のバックグラウンドを持つ人物がゲーム部門を率いるという事実は、今後のゲーム開発においてAIがより重要な役割を果たすことを予感させる。NPCの行動パターンの高度化、プロシージャル生成によるコンテンツの自動生成、パーソナライズされたゲーム体験など、AIがゲームに革新をもたらす可能性は大きい。

一方で、スペンサー氏が築いた買収戦略による事業拡大路線がどのように継承されるかも注目点だ。Activision Blizzardを含む多数のスタジオを傘下に抱える現在のXboxが、「原点回帰」と「大企業としてのスケール」をどう両立させるかは、シャルマ氏の手腕が問われるところだろう。

知っておくと便利なTips

  • MicrosoftのCoreAI部門は、Azure AIやCopilotなどの主要AI製品を統括する部門であり、シャルマ氏はその中核にいた人物
  • Xbox Game Passの加入者数は近年増加を続けており、Microsoftのゲーム事業においてサービス収益の比重が高まっている
  • 「原点回帰」の具体策として、ファーストパーティスタジオの強化やハードウェア戦略の見直しが行われる可能性がある

まとめ

MicrosoftのXbox部門におけるCEO交代は、ゲーム業界の一つの転換点となりうるニュースだ。フィル・スペンサー氏が築いた大型買収と事業拡大の時代から、アシャ・シャルマ氏による「原点回帰」とAI融合の新時代へと舵が切られる。36歳という若きリーダーがAI分野の知見を武器に、Xboxブランドをどのように進化させていくのか。ゲーマーにとっても、テクノロジー業界にとっても、今後の動向から目が離せない展開となりそうだ。


📎 元記事: https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2602/22/news021.html

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