Claude Code(Opus 4.6)で作られたAIモデル管理ツール「ForgeAI」― 3D可視化・マージ・学習をGUIで完結

お知らせ

ローカルで動作するAIモデルの検査・マージ・トレーニングを、すべてビジュアルなデスクトップアプリで実現する「ForgeAI」が公開されました。開発者のDarkEngine774氏が6ヶ月をかけて開発し、Claude Code(Opus 4.6)を活用して構築したこのツールは、これまでコマンドラインや設定ファイルの編集が必要だった複雑な作業を、直感的なGUI操作に置き換えることを目指しています。

この記事のポイント

  • AIモデルのアーキテクチャを3Dで可視化し、レイヤー構造やメモリ使用量を直感的に把握できる
  • 異なるモデルのレイヤーをドラッグ&ドロップでマージし、新しいモデルを生成する「M-DNA Forge」機能を搭載
  • LoRA/QLoRA学習やGGUF量子化(Q2〜Q8)にも対応し、モデルエンジニアリングの全工程をカバー

ForgeAIとは何か

ForgeAIは、ローカル環境で動作するAIモデルエンジニアリング向けのビジュアルワークベンチです。従来、AIモデルのマージにはMergeKitのYAMLファイル編集が、量子化にはAutoGGUFのCLI操作が、学習にはまた別のツールが必要でした。開発者はこれらのツールを行き来する煩雑さに疲れ、「すべてを視覚的に、ローカルで完結させたい」という動機からForgeAIを開発しました。

Rust + Tauri v2をバックエンドに、SvelteKitをフロントエンドに採用し、推論エンジンにはllama.cppを統合しています。クロスプラットフォーム対応で、Linux、macOS(Intel・Apple Silicon両対応)、Windowsで動作します。デスクトップアプリとして動作するため、クラウドへのデータ送信なしに、手元のマシンだけですべての処理を完結できる点も大きな特徴です。

主要機能の詳細

3Dモデル検査

モデルのアーキテクチャ、レイヤー構成、メモリ使用量を3次元で可視化する機能を備えています。テキストベースのモデル情報では把握しにくい全体構造を、視覚的に俯瞰できるため、モデルの理解が格段に深まります。

ビジュアルマージ(M-DNA Forge)

ForgeAI最大の特徴が「M-DNA Forge」と呼ばれるビジュアルレイヤー選択機能です。異なるモデルからレイヤーをドラッグ&ドロップで選択し、文字通り「子孫モデル」を組み立てることができます。マージ手法は12種類に対応しており、用途に応じた柔軟なモデル構築が可能です。

学習と量子化

特定のレイヤーだけを対象としたLoRA/QLoRAによるファインチューニングが可能です。また、GGUF形式への量子化もQ2からQ8まで対応しており、デプロイ先の環境に合わせたモデルサイズの最適化も行えます。

クロスアーキテクチャマージの課題と知見

開発過程で得られた重要な知見として、異なるアーキテクチャ間のモデルマージの難しさが挙げられています。開発者の実験結果によると、以下のような傾向が確認されています。

成功するケース: 同じモデルファミリー内で、次元数の差が1.2倍未満のモデル同士のマージ。アーキテクチャが近いため、レイヤー間の互換性が保たれます。

失敗するケース: ランダムなモデルペアの組み合わせ。次元数の補間(dimension interpolation)は、知識の補間とイコールではないためです。具体例として、268Mパラメータ(640次元)と999Mパラメータ(1152次元)のモデルをマージした結果、使い物にならない出力(garbage)になったことが報告されています。

この知見は、モデルマージを試みるすべての開発者にとって重要な参考情報です。「大きいモデルと小さいモデルを混ぜれば良いとこ取りができる」という単純な期待は、現実にはうまくいかないことが多いということを示しています。

技術スタックの選択

ForgeAIの技術構成は、パフォーマンスとクロスプラットフォーム対応を両立させる設計になっています。

  • Rust + Tauri v2: Electronと比較して軽量なデスクトップアプリケーションフレームワーク。メモリ消費が少なく、AIモデルの処理にリソースを回せます
  • SvelteKit: リアクティブなUIを軽量に実現するフロントエンドフレームワーク
  • llama.cpp: C/C++で書かれた高速な推論エンジン。ローカルでの推論処理を担当

この組み合わせにより、ネイティブに近いパフォーマンスと、モダンなUI体験を両立しています。

知っておくと便利なTips

  • モデルマージを試す際は、まず同一ファミリー・近い次元数のモデルから始めるのが成功率を高めるコツ
  • GGUF量子化はQ4〜Q5あたりが精度とサイズのバランスが良いとされており、まずはこの範囲で試すのがおすすめ
  • Tauri v2ベースのため、Electronアプリと比べてメモリ消費が大幅に抑えられ、モデル処理に多くのリソースを割ける

まとめ

ForgeAIは、AIモデルエンジニアリングの複雑な作業フローを一つのデスクトップアプリに統合した意欲的なプロジェクトです。Claude Code(Opus 4.6)を活用して6ヶ月かけて開発されたという点も、Claude Codeの実践的な活用事例として注目に値します。特にM-DNA Forgeによるビジュアルマージ機能は、従来のYAMLベースの作業を大幅に効率化する可能性を秘めています。一方で、クロスアーキテクチャマージの制約など、ツールだけでは解決できない技術的課題も正直に共有されており、開発者コミュニティへの貢献という意味でも価値のある発信です。GitHubでオープンソースとして公開されているため、興味のある方はぜひ試してみてください。


📎 元記事: https://www.reddit.com/r/ClaudeAI/comments/1r1968m/built_a_desktop_tool_for_model_inspection_merging/

コメント

タイトルとURLをコピーしました