NSA開発ツール「Ghidra」をClaudeとMCPで操作!レトロゲームのリバースエンジニアリングに挑戦

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AIエージェントは、NSAが開発した高度なリバースエンジニアリングツール「Ghidra」を操作して、Atariのゲームをハックできるのでしょうか?本記事では、Claude、Ghidra、そしてMCP(Model Context Protocol)を組み合わせて、1980年代の名作ゲーム「River Raid」の解析に挑んだ実験レポートをお届けします。複雑なツールの学習曲線をAIで乗り越えようとした、興味深い試みの全貌を紹介します。

この記事のポイント

  • GhidraとClaudeをMCPで連携させ、AIによるリバースエンジニアリングを実験
  • 8KBのAtariゲーム「River Raid」を題材に、無限ライフ機能の実装を目指す
  • MCPの現状の課題と、AIがリバースエンジニアリングを支援する可能性を検証

実験の背景:子供時代の夢を叶える

著者のRafal Strzalinski氏にとって、Atari 8ビット版の「River Raid」は特別な存在でした。1980年代、彼の最初のコンピュータはAtariで、このゲームに膨大な時間を費やしたといいます。

River RaidのROMはわずか8KB。現代の基準では信じられないほど小さいサイズですが、この小さなバイナリの中にグラフィック、サウンド、敵AI、物理シミュレーションのすべてが詰め込まれています。しかも、すべてが手作業で最適化された6502アセンブリで書かれています。

目標はシンプルでした:「無限ライフ」の実装です。これは1980年代に、ヘックスエディタを使ってゲームを改造していた子供たちにとっての定番のハックであり、一種の通過儀礼でした。2025年の今、著者はヘックスエディタの代わりにAIを使うことにしました。

セットアップ:MCPでGhidraとClaudeを接続

GhidraにはネイティブのAIアシスタント機能がないため、著者の指示とツールの内部APIを橋渡しする方法が必要でした。ここで登場するのがModel Context Protocol(MCP)です。

著者が見つけたのは、オープンソースの「GhidraMCP」サーバーです。これはClaudeがGhidraと直接通信できるようにするコネクタで、コンセプト自体はエレガントです。Claudeが実行中のGhidraインスタンスに接続し、バイナリを解析し、関数をリネームし、コードパターンをプログラム的に識別できるようになります。

しかし、実際の体験はそれほどスムーズではありませんでした:

  • MCPには標準的な配布形式(Docker、npmなど)がなく、git cloneして動作を祈るしかない
  • 結果として「Claude → MCPサーバー → Ghidra拡張機能 → Ghidra」という4つのコンポーネントの連鎖が生まれ、4箇所で問題が発生する可能性がある

AIと6502プロセッサの出会い

著者は日常的にディスアセンブラを使用しておらず、Ghidraのワークフローは完全に未知の領域でした。このプロジェクトの目的は、AIがそのギャップを埋められるかどうかを確認することでした。謎のバイナリをAIに与え、GhidraとLLMの組み合わせがそれがカートリッジダンプであることを認識し、メモリマッピングを処理し、解析を導いてくれることを期待しました。

現実はより厳しいものでした。AIを適切にテストするため、バイナリを「a.rom」にリネームして、ファイル名からのヒントを排除しました。インポート時には、プラットフォームを指定せずCPUアーキテクチャ(6502)のみを選択しました。

Claudeの最初の判断は合理的でした:既知のROMシグネチャを検索するためにMD5ハッシュを要求しました。しかし、MCPツールにはハッシュ機能が公開されていないため、このアプローチはすぐに行き詰まりました。

MCPの現状と課題

この実験から見えてきたMCPの課題は以下の通りです:

  1. 標準化の欠如:配布形式が統一されておらず、セットアップが複雑
  2. ツールチェーンの長さ:複数のコンポーネントを経由するため、トラブルシューティングが困難
  3. 機能の制限:すべてのAPI機能がMCP経由で利用できるわけではない

それでも、この実験はAIがリバースエンジニアリングの分野で活躍できる可能性を示しています。Ghidraのような複雑なツールの学習曲線を、AIが緩和してくれる未来は遠くないかもしれません。

知っておくと便利なTips

  • GhidraMCPはGitHubで公開されており、誰でも試すことができる
  • MCPを使えば、Claudeを様々な専門ツールと連携させることが可能
  • リバースエンジニアリングの学習には、シンプルなレトロゲームのROMが良い教材になる

まとめ

本記事は、Claude、Ghidra、MCPを組み合わせてAtariゲーム「River Raid」のリバースエンジニアリングに挑戦した実験レポートです。MCPには標準化や機能面でまだ課題があるものの、AIが複雑な専門ツールの操作を支援できる可能性を示しています。

特に注目すべきは、リバースエンジニアリングという高度に専門的な分野で、AIが「ブリッジ」として機能しうるという点です。Ghidraのような急な学習曲線を持つツールでも、AIの支援があれば、専門家でなくてもある程度の解析が可能になるかもしれません。

MCPエコシステムの成熟とともに、このような「AIによるツール操作」の体験は今後さらに改善されていくでしょう。レトロゲームのハッキングという遊び心のあるユースケースを通じて、AIの新しい可能性を垣間見ることができる興味深い事例です。


📎 元記事: https://dev.to/teamquesma/reverse-engineering-river-raid-with-claude-ghidra-and-mcp-3oio

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