サーバーとは何か?魔法に例えてゼロから解説【完全初心者向け】

Tips

この記事は、サーバーやプログラミングについて「そもそも何なのかわからない」という人に向けて書いています。

私自身、子供の頃はインターネットのホームページがどうやって表示されているのか全く想像できませんでした。「プログラミングを学べ」と言われても、プログラムを作って一体何ができるのかがわからない。そもそも、プログラムを書いたとして、それがなぜPCの中で「勝手に」動くのかも謎でした。

同じような疑問を持っている方に向けて、できるだけ身近なイメージで説明してみます。今回は「魔法」に例えて考えてみましょう。

あなたはこれから、魔法使いになります。


プログラムとは何か ― 呪文を書く

火の玉を撃ちたい

あなたは見習い魔法使いです。火の玉を撃つ魔法を使いたいと思っています。ファイヤーボールとかファイヤーボルトと呼ばれる、あの魔法です。

なぜその魔法を使うのか? もちろん敵を攻撃するためです。でも、もっと根本を考えると「火を自在に操りたい」という目的があるはずですよね。

では、その魔法をどうやって作るのか。手順を分解してみましょう:

  1. 魔力を集める
  2. 火の形に固める
  3. 球体の形状にする
  4. 敵に向かって撃ち出す

この「手順書」を書くこと、これがプログラミングです。そして書き上がった手順書がプログラムです。

雑に作ると明後日の方向に飛ぶ

あなたが手順書を詳しく、正確に書けば、狙った通りの魔法が使えます。でも、雑に作るとどうなるか。

火の玉が明後日の方向に飛んでいったり、球体のはずが星型になったり、ときには地球を一周して自分に当たったり……。目的は「敵を倒すこと」なので、たまたまうまくいくこともあります。でも、それは運任せですよね。

これがプログラムの世界でいう「バグ」です。意図しない動きをしてしまう。だから、手順書は正確に書く必要があるわけです。


プログラムはなぜ「勝手に」動くのか

魔導書は開かないと意味がない

ここで一つ、根本的な疑問があります。

「手順書を書きました。で、どうやって発動させるの?」

手順書があるだけでは魔法は発動しません。あなたが魔導書を開いて、呪文を唱える必要があります。本棚にしまったままでは、何も起きない。

プログラムも同じです。ファイルとして保存しただけでは動きません。あなたが「実行」という行動を起こす必要があります。

OSという「魔法の杖」

では、呪文を唱えるとき、あなたは何を使いますか?

魔法使いには杖が必要です。杖がなければ、魔力をうまく制御できない。呪文を唱えても、杖がなければ魔法は発動しません。

コンピュータの世界で、この「杖」にあたるのが OS(オペレーティングシステム) です。WindowsやLinux、macOSといったものですね。

あなたが「このプログラムを実行したい」と思ったとき、OSという杖を通じて命令を出します。杖があなたの意思を受け取り、魔法(プログラム)を発動させてくれる。

つまり:

  • あなたがプログラムを実行する → 杖に「この魔法を発動して」と命じる
  • OSがプログラムを読み込んで動かす → 杖が魔力を変換して魔法を発動させる
  • プログラムが動く → 魔法が発動する

プログラムが動くのは、あなたがOSという杖を使って発動させているからなのです。


サービスとは何か ― 結界を張る

毎回唱えるのは面倒

さて、あなたも魔法使いとして成長してきました。ここで新しい課題が出てきます。

普通の魔法は、あなたが「発動」と命じたときだけ動きます。使い終わったら消える。敵が来るたびに、毎回呪文を唱える必要がある。

でも、こんな魔法があったら便利だと思いませんか?

  • 家の周りを守る結界魔法(常に監視していてほしい)
  • 自動で体力を回復する魔法(定期的に発動してほしい)
  • 誰かが来たら知らせてくれる感知魔法(常に待機していてほしい)

これらを毎回手動で唱えるのは大変です。寝ている間も、食事中も、ずっと唱え続けるわけにはいきません。

サービス ― 自動で発動し続ける魔法

そこで、あなたはこう考えます。

「一度発動させたら、自分が意識しなくても動き続ける魔法を作ろう」

これが サービス です。

サービスとは、一度起動させたら、あなたが何もしなくてもバックグラウンドで動き続けるプログラムのこと。OSに対して「この魔法は常に発動させておいて」と設定すると、PCを起動するたびに自動で動き始めます。

あなたが寝ていても、別のことをしていても、結界魔法はずっと家を守り続けている。これがサービスの概念です。

Windowsでは「サービス」、Linuxでは「デーモン(daemon)」と呼ばれます。


サーバーとは何か ― 召喚獣を使役する

サービスとサーバーの違い

ここが多くの人が混乱するポイントです。

サービスサーバー、名前も似ているし、どちらも「常に動いている」という点では同じ。では何が違うのか?

あなたが張った結界魔法を思い出してください。この魔法は、あなたが設定した通りに黙々と働きます。家の周りを監視する。敵が来たら撃退する。あなたに報告はしないし、あなたからの指示も待たない。自分の仕事を淡々とこなすだけです。

では、こんな存在はどうでしょう?

「呼びかけたら応えてくれる召喚獣」

あなたは召喚獣を呼び出して、待機させておきます。普段はじっとしていますが、誰かが「おーい、火の玉を撃ってくれ!」と呼びかけると、その召喚獣がファイヤーボールを発射してくれる。あなたがその場にいなくても、召喚獣があなたの代わりに応えてくれるのです。

これが サーバー です。

種類 動き方 魔法で例えると
サービス 常に動いている。自分の仕事を黙々とこなす 結界魔法、自動回復魔法
サーバー 常に動いている。外部からの呼びかけを待って応答する 呼びかけに応じる召喚獣

サーバーは、サービスの一種です。ただし、「外部からのリクエスト(要求)を待ち受けて、レスポンス(応答)を返す」という特別な役割を持っています。

クライアントとサーバー

サーバーを理解するには、クライアントという概念も必要です。

あなたが召喚した召喚獣に、仲間が呼びかける。この関係を整理すると:

  • クライアント = 呼びかける側(「火の玉を撃ってくれ!」と頼む仲間)
  • サーバー = 応答する側(呼びかけに応じて魔法を発動する召喚獣)

実際のインターネットでは:

  • あなたがスマホでWebサイトを見る → あなた(のスマホ)がクライアント
  • Webサイトのデータを送ってくれるコンピュータ → サーバー

「このページを見せて」とリクエストを送ると、サーバーが「はい、どうぞ」とページのデータをレスポンスとして返してくれる。

あなたの召喚獣は、24時間365日、呼びかけを待ち続けてくれます。あなたがその場にいなくても、寝ていても、召喚獣が代わりに応答してくれる。これがサーバーの本質です。

なぜ「サーバー」と呼ぶのか

英語で「serve」は「仕える、提供する」という意味です。server は「提供する者」。

レストランで料理を運んでくれる人を「サーバー」と呼ぶのと同じですね。お客さん(クライアント)が注文したら、料理(データ)を持ってきてくれる。

あなたの召喚獣は、呼びかけてきた人に魔法を「提供」しているのです。まさに、あなたに仕える忠実な存在です。


ここまでのまとめ ― 魔法使いとしての成長

ここで一度、あなたの成長を振り返りましょう。

【レベル1】呪文を書く
  └─ プログラム:やりたいことの手順書を作る

【レベル2】杖を使って発動する
  └─ OS:杖を通じて魔法を発動させる

【レベル3】結界を張る
  └─ サービス:常に動き続ける魔法を設置する

【レベル4】召喚獣を使役する
  └─ サーバー:外部の呼びかけに応答する召喚獣を召喚する

あなたは見習いから、少しずつ一人前の魔法使いに近づいています。


なぜ4つの分野を学ぶのか ― 基礎魔力を鍛える

強い魔法使いになるために

さて、あなたは召喚獣(サーバー)を使役できるようになりました。でも、ここからが本当の修行です。

同じ召喚獣を使役しても、魔法使いによって召喚獣の強さが全然違います。ある魔法使いの召喚獣は一瞬で応答するのに、別の魔法使いのものは反応が遅い。ある魔法使いの召喚獣は何年も安定して働くのに、別の魔法使いのものはすぐ消えてしまう。

この差は何か? 基礎魔力の差です。

サーバーをちゃんと理解し、使いこなすには、4つの分野を学ぶ必要があります。

1. ハードウェア ― 召喚獣の器

コンピュータの物理的な部品。CPU、メモリ、ストレージ(HDD/SSD)、ネットワークカードなど。

召喚獣には器(肉体)が必要です。良い器を用意すれば、召喚獣はより強く、より速く動ける。

2. OS(オペレーティングシステム) ― 杖の扱い方

先ほど説明した「魔法の杖」。Linux、Windows Serverなどがあります。

杖の扱い方を熟知していれば、より精密に、より効率よく魔法を発動できます。

3. ネットワーク ― 呼びかけが届く道

コンピュータ同士がつながる仕組み。IPアドレス、ポート番号、通信プロトコルなど。

遠くの仲間からの呼びかけは、どうやって召喚獣に届くのか? この伝達経路を理解していなければ、呼びかけが届かなかったり、召喚獣の応答が届かなかったりします。

4. アプリケーション ― 召喚獣の種類

実際に動くソフトウェア。Webサーバー(Apache、nginx)、データベース(MySQL、PostgreSQL)、メールサーバー(Postfix)など。

召喚獣にもいろいろな種類がいます。それぞれの召喚獣の特性を知らなければ、適切な場面で適切な召喚獣を使役することはできません。

基礎を知らないと怖いことになる

基礎魔力が足りないまま強い召喚獣を呼び出そうとすると、暴走します。制御できなくなった召喚獣は、あなたや周りの人を傷つけるかもしれません。

サーバーも同じです。仕組みを知らないまま公開すると、セキュリティの穴ができて攻撃されたり、突然止まったり、データが消えたりする。

だからこそ、4つの分野をバランスよく学ぶことが大切なのです。


具体例:Webサイトが表示されるまで

誰かがブラウザで「https://example.com」にアクセスしたとき、あなたが召喚した召喚獣は何をしているのか:

1. 誰かがあなたの召喚獣に呼びかける

「example.comのページを見せて」というリクエストが、インターネット(伝達経路)を通じて届きます。

2. あなたの召喚獣が呼びかけを受け取る

24時間待機していた召喚獣が、呼びかけを感知します。召喚獣の器(ハードウェア)がネットワークからの信号を受信し、杖(OS)を通じて召喚獣に伝えられます。

3. 召喚獣が応答を準備する

Webサーバーという種類の召喚獣が、リクエストを解釈して該当するページのデータを準備します。

4. 召喚獣が応答を届ける

準備したデータを、ネットワークを通じて呼びかけてきた人に届けます。

5. 相手のブラウザに表示される

あなたの召喚獣が届けた応答が、相手の画面にWebページとして表示されます。


たった1ページを表示するだけでも、4つの分野すべてが関わっています。


まとめ ― 昔はハッカーのことをwizardっていったよね

プログラムは、あなたが書く呪文の手順書。

OSは、魔法を発動させるための杖。

サービスは、あなたが張った結界魔法。常に動き続けて、あなたの代わりに働いてくれる。

サーバーは、あなたが召喚した召喚獣。外部からの呼びかけに応答して、あなたの代わりに魔法を提供してくれる頼もしい存在。

4つの分野は、あなたの基礎魔力。これを鍛えることで、より強い召喚獣を、より安全に使役できるようになる。


次のステップ ― 修行を始めよう

最初から全部を完璧に理解する必要はありませんよ。見習い魔法使いが、いきなり最強の召喚獣を使役できるわけがない。まずは「こういう仕組みなんだな」というイメージを持つことが大切かと思います。

興味が湧いた方は、こんな修行から始めてみてください:

  • 自分のPCにLinux環境を作ってみる(WSL、VirtualBoxなど)→ まずは杖を手に入れる
  • 格安のVPS(仮想サーバー)を借りて、Webサーバーを立ててみる → 最初の召喚獣を呼び出す
  • コマンドを打って、今動いているサービスの一覧を見てみる → 自分の結界を確認する

魔法は本で読むだけでは使えません。実際に杖を振り、召喚獣を呼び出してみて、初めて身につくものです。

とはいえ私もまだまだ未熟者なので、修行途中です。
もし時間があれば、次はVPS等で簡単なサーバを作る記事を書けたらいいなと思っています。

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